ハードウェア2024.05.15Written by 米ちゃんcolumn No.14
APIで広告挿入してみる~その2~(SCTE-35)
前回のおさらい ~今回の検証環境~
前回はSCTE-35を使って広告挿入ができることをわかりましたね!
今回それを確認するのはこちらの検証環境です!
手順① LiveEdge® Nodeの出力設定
- LiveEdge® NodeのGUIからAWS Elemental MediaConnectに対してSRT出力設定を行います。
- Data Sourceの欄で付加するメタデータの種類を選択できます。
- 今回はSCTE-35を選択します。
LiveEdge® NodeのGUI
手順② AWS Elemental MediaConnect & MediaLiveの設定
AWS Elemental MediaConnect からの出力を AWS Elemental MediaLiveで受信できるように設定し、AWS Elemental MediaLiveのHLS出力をAmazon S3に出力するように設定してください。
手順③ AWS Elemental MediaLiveでのSCTE-35の設定
AWS Elemental MediaLiveのGUIから、Edit channelを選択し、Output groups設定の「1. S3 (HLS)」を選択、Ad Marker内の *ELEMENTAL を設定します。
AWS Elemental MediaLiveの設定画面
- *ELEMENTAL(今回使用した設定)
- CUE-OUT:広告表示が始まるセグメント(DURATIONを含む)
- CUE-OUT-CONT:後続の各セグメント(経過時間と継続時間を含む)
- CUE-IN:広告表示が終わるセグメント(コンテンツなし)
本当にSCTE-35が挿入できているなら、これらのキューマーカーが表示されるはずなので、後ほど実際のm3u8ファイル内部を確認してキューマーカーが挿入されていることを確認してみます。
参考URL:
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/medialive/latest/ug/sample-manifests-hls.html
- Output groups設定の「Output 1」を選択し、PID Settings内のSCTE-35 Behaviorを PASSTHROUGH に設定します。
手順④ AWS Elemental MediaTailorの設定
- AWS Elemental MediaTailorで作成した設定の編集から、コンテンツソース欄にはS3のURLを記入
- 広告決定サーバー(広告サーバー)を設定します。
- [session.avail_duration_ms]:セグメント m3u8内に記載されている映像の時間を参照します。
AWS Elemental MediaTailorの設定画面
- 設定を保存し、HLS再生プレフィックスのURLをコピーします。
- コピーをした再生エンドプレフィックスの末尾へ、S3のバケット内に保存されているmaster m3u8ファイル名を入力するとストリームの再生ができます。
(今回の場合は「master23.m3u8」)
S3のバケット内
- 無事に再生ができたので、こちらのストリームにSCTE-35で広告動画を挿入したいと思います!
手順⑤ APIの実行
- Postmanへjsonファイルを読み込ませ、LiveEdge® NodeへAPIリクエストを実行します。
- 今回はPOST APIでsplice_insertを選択し SCTE-35を挿入したいと思います。(ボディパラメータの編集で各種挿入タイミング調整が可能です)
- 今回は15秒(15000msec)の動画を挿入してみましょう!
- Chromeのデベロッパーモードを起動した状態で、広告動画に切り替わる様子を確認してみましょう。
- 広告動画が終了してしばらくした後のm3u8ファイル内部を確認してみましょう。
~締め~
- 手順③で説明した設定した項目に記載されているキューマーカーが挿入されていることを確認できた(CUE-OUT、CUE-IN)ので、うまくいったようですね!
- 今回は手動で挿入したので、広告動画の表示までに数秒かかってしまいましたが、ボディパラメータを見るとあらかじめ挿入開始時間を設定することできるようなので、正確な時間に表示させたいときはこちらで設定するとよさそうです。
- まだ試したいことはたくさんありますね・・・ですが、このコラムはこのあたりで・・・
- 皆さんが普段視聴している広告の裏側では、今回と同じような構成が使用されているかも!
- Videon製品のコラムは今後力を入れていくので、お楽しみに!!
米ちゃん2023年4月にイノコスへ入社。もともとは建設機械を扱う会社で現場作業や機械設計を行っていたが、ITエンジニアを目指し内定をもらった中で、一番きつそうなイノコスに入社。内定承諾の顔合わせの際に言われた言葉は「地獄へようこそ」。現在、通信制の大学に通いながらイノコスでの業務を行っている。彼女募集中。