APIで広告挿入してみる~その1~（SCTE-35）
前回に引き続き、弊社が昨年より新しく取り扱いを始めた Videon 社のエンコーダについてコラムを書きます。
前回のコラム記事はこちら 『Videonエンコーダでグラフィックオーバーレイをやってみた』
Videon社のエンコーダについて、調べてみるとAPIでSCTE-35という規格を入力信号に重ねること（重畳）で広告挿入ができるらしいです。
本当に広告挿入ができるのか、実際に入社して12ヶ月の私がやってみます。
エンコーダは前回に引き続きVideon社の中で一番シンプルな「LiveEdge® Node」を使って検証してみましょう。
細かいスペックは弊社製品ページをご覧ください
米国本社の製品ページはこちら
https://www.videonlabs.com/liveedge-node
INDEX
SCTE-35のイメージ
SCTE-35はこんなイメージで
広告挿入を制御しています！
WEBライブ配信で使用されているSCTE-35 一般的な構成
SCTE-35は主にWEBライブ配信で使用されており、広告挿入や、コンテンツの切り替え（フタかぶせ）を行う目的で使用されています。
元となるSDIのビデオソース（映像素材）に、インサーターを介してSCTE-104を重ね、エンコーダでSCTE-104をSCTE-35へ変換。
各ネットワークを通り、ご自宅のTVやPC、スマートフォンで視聴することができます。
WEBライブ配信で使用されているSCTE-35 LiveEdge® Nodeを使用した構成
本来であれば、エンコーダはSDIのビデオソースにSCTE-104が重ねられていなければ、SCTE-35を挿入することができないのですが、LiveEdge® Nodeはこれだけで挿入することができるみたいです。
LiveEdge® Nodeのみで、本当にSCTE-35を挿入することができるのか確認してきましょう。
本当にできるならインサーター要らずですね！
今回の検証環境
ではLiveEdge® Nodeを使用し、SCTE-35を挿入することで見た目上、どう変わるのか実際に確認してみましょう。
配信を行うために必要なものとして、ビデオソース、LiveEdge® Node、AWS Elemental MediaConnect、AWS Elemental MediaLive、Amazon S3、AWS Elemental MediaTailor、広告サーバーと視聴環境、Videon公式から入手したjsonファイル（API操作で使用）、それにPCとインターネット環境です。
●補足
ーAWS Elemental MediaConnect：プロトコル変換を行うサービス。SRT信号を変換してMediaLiveに入力。
ーAWS Elemental MediaLive： エンコードサービス。MediaConnectからの入力信号をHLSに変換。
ーAmazon S3：ストレージ。m3u8ファイルとtsファイルを溜め込むために必要。
ーAWS Elemental MediaTailor：広告サーバーにリクエストを送り、元ストリームの上から広告動画を挿入するサービス。
ー広告サーバー：広告動画の保管とリクエスト応答。 MediaTailorへ広告動画を渡してあげる役割。
更にそこから、PCでjsonファイルを編集、APIで操作をするために①APIクライアントが必要になります。
ー①APIクライアント ・・・ APIリクエストの送信、レスポンスを取得することができるソフトウェア。今回の検証では、Postmanというソフトを使用しています。
今回もフリーソフトで実施してみました
SCTE-35の検証を行う場合AWSを利用することで構築作業を簡単に実施するが可能です。
さぁ、ここまででSCTE-35と検証環境の概要を説明し、ようやく準備完了ということで、次回から実際にAWS環境への設定やVideonのAPIでSCTE-35を挿入し広告挿入をやってみようと思います。
次回も乞うご期待！！！
弊社のAWSメディア関連ソリューションはこちら
https://www.innoqos.com/solution/aws-media/
米ちゃん2023年4月にイノコスへ入社。もともとは建設機械を扱う会社で現場作業や機械設計を行っていたが、ITエンジニアを目指し内定をもらった中で、一番きつそうなイノコスに入社。内定承諾の顔合わせの際に言われた言葉は「地獄へようこそ」。現在、通信制の大学に通いながらイノコスでの業務を行っている。彼女募集中。