四国電力株式会社
<電力事業者>
四国電力株式会社 総合企画室
DX推進プロジェクト 溝渕恵理様
四国電力株式会社 土木建築部
総括グループ 中塚沙織様
四国電力送配電株式会社 企画部
DX推進グループリーダー 好原茂様
よんでんグループでは、デジタル技術を活用して業務やビジネスを変革するビジネストランスフォーメーション(BX)を推進し、効率化の深堀りや革新的なサービスの創出などにより、競争力の強化と新たな価値創造の実現を目指して全社で取り組まれています。
- 導入サービスと
活用目的 -
- サービス
- デジタルサイネージ「KAWARA板ネット」
- 活用目的
- BXの更なる推進(よんでんグループBXビジョンの定着、DX推進に向けた情報発信)
- 社内コミュニケーションの活性化
今回KAWARA板ネット導入にあたって、四国電力株式会社様、四国電力送配電株式会社様のそれぞれのDX推進担当である溝渕さん、好原さんにお話を伺ってきました。
また、オフィスサイネージを見ていち早く反応をくださった中塚さんにもお話しを伺うことができました。
まずオフィスサイネージ導入を主導された溝渕さん、好原さんにお伺いします
●KAWARA板ネットを導入検討するにあたって、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?またKAWARA板ネットを知ったきっかけも教えてください。
-(溝渕様)DX推進プロジェクトでは、デジタルサイネージを使った情報発信について検討していました。ディスプレイの設置場所が増えると管理が煩雑になるのでは、と思い、離れた場所に簡単にデータを送り、一元管理できるような製品はないかと模索する中で、好原に相談したところ、KAWARA板ネットのことを知りました。
●選考の中で進めやすかった点や良かった点があれば教えてください。また、導入の決め手があれば教えてください。
-(溝渕様)まずは使い勝手が良かった点です。試行期間(1か月間の無料トライアル期間を指す)に実際に操作をして、実感することができました。
初めてコンテンツをあげてみようというときに敷居が低くて、動画でも静止画でも簡単にアップロードできます。また失敗したときも簡単に取り下げて修正できるので助かっています。扱えるデータは多種多様ですので、PDFの資料をアップすることから初めてみて、慣れたころにパワーポイントで少し手の込んだコンテンツを作るなど、楽しみながら挑戦することができました。
導入したKAWARA板ネットの下で。
左から好原様、中塚様、溝渕様
社員から好評であったことも決めての一つです。
DX関係のコンテストの結果を、メールで華々しく周知した後、受賞者の写真入りでサイネージに流していたところ、その前で立ち止まって自然に会話する光景が見られました。「メールでは気づかなかった、サイネージで初めて知った!」「こんなコンテストやっていたんですね!」という声が寄せられ、驚きました。
手元で見られるメールは意外と見ていなくて、逆に、通りすがりに目に入るサイネージのほうが、視認性が高く影響力があることを実感しました。また、そこから会話が生まれたり、プロジェクトに興味をもってくれたりするということが確認できました。
-(好原様)あとは、トライアル含め、色々と相談しても対応が早かったり、うちでこういった(クラウド型の)サービスを使うとなるとセキュリティ審査がかなり厳しいのですが、そういった点でも、(KAWARA板ネットは)しっかり対応を考えられた仕組だというのは良かったです。
●本導入後、KAWARA板ネットをどのような用途で利用していますか?
-(溝渕様)BXの更なる推進(よんでんグループBXビジョンの定着、DX推進に向けた情報発信)と社内コミュニケーションの活性化をねらいに、DX推進に向けた情報発信に合わせて、各部の取り組みを募集して、紹介しています。
BXというのはビジネストランスフォーメーションを起こしていこう、データやデジタルを用いて、飛躍的にビジネスを発展させていこうというコンセプトですが、それを社員に伝え、浸透させていくツールの一つとして重宝しています。
●導入した成果を感じられたポイントがあれば教えてください。
-(溝渕様)9月より本運用を開始しました。執務室内に加えて、人流の多い食堂前の壁面に設置して、コンテンツを募集したところ、すぐに5つの部署より応募がありました。
想定以上にコンテンツが集まっており、一巡するのに時間がかかるのですが、コンテンツ提供者からは「イベントの告知など期限があるものは何度も掲示するなどしてほしい」といったコメントが寄せられるなど、期待の高さが感じられました。
食堂前の壁面に設置したディスプレイと
KAWARA板ネットプレイヤー
●すごいですね!もうすでに編集されたコンテンツを追加されたのでしょうか?
-(溝渕様)はい、コンテンツは各部で準備して提供いただいており、私はそれをアップロードするだけですのであまり手間はかかりません。
現在は、朝と昼の人流の多い時間帯には期限があるコンテンツを中心に短めのプレイリストを作成して、視認性を高める工夫をしています。
●KAWARA板ネットのスケジュール機能を活用されているのですね?
-(溝渕様)はい、そうです。(イノコス担当者に)教えていただきながらですが、番組表のようなイメージで作りました。スケジュール機能を使うと、ディスプレイのオン・オフも設定できるため、便利ですね。
●社員の皆さんからの反響や感想はありましたか?
-(溝渕様)コンテンツに対する感想や、「食堂前が明るくなった」「つい見てしまう」といった声が寄せられています。ちょっとした話題づくりに役立っていることが感じられています。
また、夏に大型の台風が日本に接近し、四国地方を横断するかもしれないと危惧されていました。
その日、私は社外に出ていたのですが、上司から「台風情報を表示できないか?」と連絡があり、出先から表示を切り替えてみたところ、同僚が「みんなが立ち止まって台風情報を見ています!」と職場の状況を伝えてくれました。
外部にいても在宅勤務でも操作ができるというのは良いですね。
-(好原様)使いこなしてますね!スケジュールもいいけど用途別に出してもいいよね。グループ会社の長尺のコマーシャルはロビーで映したり、エレベーターホールでは短尺動画を映したり。
次にオフィスサイネージにいち早く反応をくださった中塚さんにお伺いいたします
●中塚さんは普段どのようなお仕事をご担当されていますか?
-(中塚様)土木建築部の総括グループというところで、土木建築部門全体の安全関係の教育や、DX推進担当をしています。
●DX推進というのは、具体的にどのようなことをされていますか?
-(中塚様)まだ模索段階ではあります。グループ会社全体としてメインの電気事業以外でも収益をあげていこうという流れがあるのですが、土木建築部門としてもメインの電気事業の部分の効率化を図ったうえで新しいことにチャレンジする余力を生み出すことを目標に掲げています。
どういったことにチャレンジするかはまだ見えていない部分もありますが、建物や土木設備を保守するといったこれまでやってきた業務を効率化し、余力を生んだ後に新たな価値提供というところに携わりたいという思いです。いまはまだ効率化を図っていく段階で、工事監理等の保守業務や、原子力関係の国への説明資料作成や確認作業などすべて人力で行っていた部分をAIやロボットを活用して、効率化できないかと探っている段階です。
●今回新しくサイネージが設置されて、すぐに土木建築部の活動内容の動画を投影されていますね
-(中塚様)そうです。土木建築部と関連企業が連携して開発した「安全手袋プレスガード」の紹介動画を流しています。手袋の開発というのは土木建築部としては完全に新たなチャレンジでしたので、具体化して実現し、特許取得まで行くことができて、これから販売促進をしていこうという段階です。
●そうなのですね、手袋の開発は土木建築部としては新たなチャレンジということなんですね
-(中塚様)はい、そうです。これまでは、電力の安定供給のための基盤、設備を保守して基盤を整えるというところに尽力していたので、何かを開発するといった発想はなかったです。
この安全手袋は、当社の発電所工事の現場で指詰め災害が発生してしまったことがきっかけで、開発をスタートして、手袋の町である香川県さぬき市の地元企業と協力して制作しています。ちょうど本日の電気新聞でも記事を取り上げてもらっています。(電気新聞:四国電力など開発の耐圧グローブ、労災防止で建災防から顕彰)
BXを推進して、こういった新しい事にもチャレンジしていきたいと思っています。
土木建築部で開発した安全手袋を持つ中塚様
●四国電力様では各部署にDX担当者さんがいらっしゃるのですか?
-(中塚様)はい、そうですね。
各部門にDX担当者がいたり、分担がある部門があったり、各部で取り組んでいます。
●今回のサイネージ導入というのは、そういった全社のDX推進を見通して導入に至ったということでしょうか?
-(溝渕様)そうですね。よんでんグループBXビジョンの達成に向けてみんなで頑張っていこうと士気を高めるために、様々な施策を検討する流れの一環で、クラウドサイネージを活用させていただくことになりました。
●社員食堂はよく使いますか?
-(中塚様)そうですね、社員食堂を利用するのは週の半分くらいです。ただ売店もあるので、サイネージを設置している場所は毎日通る場所です。社員のみなさんよく通る場所だと思います。
●実際にオフィスサイネージが設置してどのように感じましたか?
-(中塚様)そうですね、全社で取り組んでいるBX推進のビジョンの中に「Link」という項目があって、Linkにはいろいろな意味があると思うのですが、私の中では、デジタル技術を使って、本店にいても現場やいろいろなところとつながっていられるというイメージを持っていました。本店にいながら現場とのつながりを感じるような(施策を)やったらいいんじゃないかなと考えていて、その一つがデジタルサイネージなのかなと思っていたので、実際にデジタルサイネージが設置されて、まさにいろいろなところとつながれるアイテムだと思いました。普段他部署の社員がどんなことをしているか知る機会が少なく、自分の部署であってもほかのグループが何をしているかなかなか知る機会が少ないので、映像で視覚的に見ることができれば他部署でどんなことをしているとか、普段関わることのない部署がどんなことをしているか知る良い機会になると思います。そういうことが身近に普通にできるのはとてもいいと思います。
サイネージに表示されたグラフを見て、語らう社員
●サイネージが設置する前からそのように考えられていたのですね!!
-(中塚様)はい、ちょうどオフィス改革もやろうと思っているので、オフィス改革の意味合いでも、オフィスとオフィスの繋がりもデジタル要素を使ってつながっていられる取り組みができたらいいなと思っていました。
●他部署のコンテンツで印象に残っているものはありますか?
-(中塚様)はじめに見たのがマンダリンオリエンタルの建設(※)イメージの動画だったので、それが一番印象に残っています。
※四国電力のほか、阿波銀行、伊予銀行、サンケイビル、四国銀行、JR四国、竹中工務店、日本政策投資銀行、百十四銀行が出資して、事業主体の「四国まちづくり&おもてなしプランニング」(SMOP)を設立し、ホテルを建設・所有。運営をマンダリンに委託する。
最後に、今後の展望をお伺いします
●中塚さん、今後こんな表示が見たいとか、こんな活用をしたいといった希望はありますか?
-(中塚様)各部署、事業所の宣伝や職場紹介を流してもらえたら、四国に散らばっている社員の一体感を感じられていいなと思います。水力の事業所は山間部に在ったり、少人数でお仕事されている事業所もあったりするので、そういったところともつながりを感じられたらいいなと思っています。
●溝渕さん、好原さん、今後KAWARA板ネットを使ったオフィスサイネージで実現したいことはありますか?
-(溝渕様)今、DX以外のコンテンツが非常に盛り上がっていますが、よいDX事例の水平展開やイベントの告知など、DX関連のコンテンツの充実をはかって社員の能動的な参加を促していきたいと思っています。
-(好原様)四国電力は電気の小売業ですが、我々、四国電力送配電は電気をお届けする事業なので、この二社間では情報遮断が必要で、特に我々は出してはいけない情報が多いため、我々の部署のアピールをしたい反面、見せられない部分もある。今表示しているのは新規事業的にやっているお遍路アプリ「遍路のあかり」の情報を表示するにとどまっているので、誰でも見られる情報が出せるかというのは悩ましいところです。今後は四国電力送配電社内で独自にコンテンツを作っていくなど検討していきたいと思っています。
また、ビル自体の防災のためのサイネージ活用というのも考えていきたいと思っています。
たくさんモニターを設置しなきゃいけないし、お金もかかるんですけどね(笑)
-溝渕さん、好原さん、中塚さん
お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。
これからも伴走させていただきますのでよろしくお願いいたします。